丸明オールド

広告媒体を筆頭に、近年爆発的にヒットした書体です。古さ(骨格)と新しさ(エレメント)が融合した書体といえるのではないでしょうか。 目の付けどころはシャープかもしれないけど、この書体は決してシャープではありません。 壁面を埋め尽くす広告のコピ…

セプテンバー

ペン書き風のカジュアルな書体です。 ご自由にお書きくださいという、短冊に使われていました。 いつもは暗いガード下も、少しばかり華やかです。

太ゴシック体B1

A1明朝(02-06)と同様、モリサワの書体群にありながら、石井書体らしさを色濃く残しているゴシック体です。写研の石井ゴシック(06-08)の初期の造形を留めていると思われます。 「は」や「に」のハネの先端など、やや荒削りな部分がみられます。この書体は…

たおやめ

歴史的な書物などから文字を採取し、かな書体として復刻しているシリーズのひとつ。 『ヴィネット』 5号 によると、現在の図書印刷株式会社の前身である、川口印刷所の「新刻五号明朝体」がベースなのだそうです。 「ご」「い」など、脈絡でつながっていて、…

ヒラギノ行書体

シャープでキレがあり、行書体としてはかなり整った印象の書体です。 「八海山」はキレに定評のある日本酒。この看板は木に彫られています。 神田なら、白昼堂々「八海山」も許されるかも!?

優雅宋

メルヘンチックというか、ちょっとキラキラした可愛らしい感じの書体です。 やっぱり女性向けでしょうか。 この色と書体、それに「寄り道」とくると、何となくスイーツのお店を連想させますが、実はしっかり食事できるお店がメインだったり。 人通りの多い場…

弘道軒

これもまた、かな書体ですが、その由来がはっきりしています。弘道軒清朝体(近年、デジタルフォントとして復刻されています)の骨格がベースになっています。 もともと硬質で引き締まった印象をもっていますが、ここでは、水彩のにじんだような効果が、ニュ…

ウインクスJ

明朝のかなでありながら、ゆるい筆書のようでもある、微妙な雰囲気のかな書体です。 そして、このプリンは、プリンでありながら、牛乳のようでもあります。 中央の「牛乳プリン」は、スプーン…じゃなくてフォーク。 (この媒体は、ekos さんに教えてもらいま…

こぶりなゴシック

もともとは2001年に女性誌のために開発されたゴシック体で、雑誌などの限られた環境でしか使えない書体でしたが、今年、満を持してパッケージ化され一般発売されました。 ピュアで洗練されたイメージは、石井ゴシック(06-08)へのオマージュともとれます。 …

創英ポップ体1(ブラッシュ仕様?)

かつてワープロ機に搭載されていたことなどもあり、街中では最もよくみかけるPOP書体です。 ここでは、なんと板にペンキでなぞって書かれています。 POPの原点である書き文字に戻ったような、ダイナミックな表現が新鮮に映ります。

もじくみ仮名

明治期につくられた金属活字、築地体初号の印影をもとに制作されたかな書体(フリーフォント)です。 この字形は、写植では「民友かな」として広く使われ、近年では字游工房や大日本スクリーンも覆刻しており、金属活字〜写植〜デジタルタイプと、永きにわた…

石井ゴシック

1930年代、写植の草創期に生まれたゴシック体です。奇をてらわない落ち着いた造形と、写植特有のゆるさを併せ持っています。 なるほど、防虫剤として使われるショウノウ(樟脳)は、クスノキ(樟)からとれるんですね。 意外と緑のある都心において、自然と…

小町

80年代のかな書体ブーム(03-20も参照)の火付け役となった、流麗なかな書体です。もともとは、短歌を組むために開発されたそうです。 どこにでもありそうな文句ですが、上品でしとやかな印象です。 美を追究する企業の姿勢は、こんな細かなところにも端的に…

ゴシックMB101

広告にはかなりの頻度で使われているゴシック体です。単に太いだけでなく、堂々とした風格があります。 うーん、熱い。無理矢理つめこんでいるようでも、文字の存在感で、かなり魅せる仕上がりになっています。 個々の文字が、フィールドのイレブンと、それ…

リョービ勘亭流(=HG江戸文字勘亭流)

勘亭流は、江戸時代に歌舞伎の看板のために生み出された、うねりの強い極太の筆文字です。 殆どの書体メーカーからオリジナルの勘亭流が発売されており、和の伝統を表現するのに欠かせない書体となっています。 よくみかけるのは和食のメニューなど(05-24に…

ゴカール

ゴナ用のかなとして登場したキャッチーな書体です。のちに漢字も追加されて総合書体となりました。 某コンビニのキャッチフレーズは、かなりとっつきやすい印象です。 でも、現在の店舗にはこのフレーズはついていないようなので、もう使われなくなっている…

行書体というと、たいていは柔らかくてゆるやかなイメージですが、この書体はちょっと違っています。 背筋がピンと伸びたような、引き締まった張りのある線が特徴的で、勢いと気概が感じられます。 伝統へのこだわりと自信のほどがうかがえるような使い方で…

ZENオールド明朝

ここ数年、広告媒体では最も浸透し、広く使われている明朝といってもいいのではないでしょうか。 ここではやや太らせているようですが、エッジは丸く、柔らかい線質が特徴です。 金属活字、あるいは写植書体に近い趣が感じられます。 どう見てもリュウミンや…

みやび

いわゆる「花文字」と呼ばれる装飾性の強い書体です。大正から昭和初期にかけて、このようなスタイルの書き文字が流行していたようです。 この書体は1970年代後半に、写植のかな書体として発売されたものです。 とある床屋さんにて。 (『リョービ写植書体見…

MS UI Gothic

Windows に標準搭載されている画面表示用のフォントです。かなは幅狭で、「た」の二画目が短いところが特徴ですが、まさかこんなところに使われているとは。 改札にひっかかる人はあれど、この表示をまじまじと見る人はいないでしょう。画面表示用のフォント…

唐風隷書体

唐代の隷書は、玄宗の「石台孝経」に代表されるように、重厚な線と堂々とした風格が特徴です。たぶんこの書体は、そういった書のエレメントを取り入れて作られたのでしょうが、ディスプレイ書体としてデフォルメされているためか、ぼってりとした重みが前面…

スーボ

究極のファットフェイスとでもいいましょうか、極限まで太くしたらこうなるという見本のような書体です。ゴナが世に出る一年前(1974年)に登場しました。 このくい込み具合がたまりません。 東京のど真ん中は、やはり熱帯なのです。 (この媒体は、mich さ…

アンチックAN

明朝体のかなと同系統ですが、全体的に太みの抑揚が少なく、ゴシック体の漢字と組み合わせて使われるかなを、伝統的に「アンチック体」と呼んでいます。現代では、主に漫画の吹き出しに多用され、現場では「アンチック体+ゴシック体」の指定を、「アンチゴ…

日活明朝体

細身の、繊細な肉付けの明朝体です。 某デパートのディスプレーの一角です。キャンバスにカッティングシートが貼り付けてあるので、照明で部分的に光ってしまって写りはいまいちですが、小説を拡大したような、押しつけがましくないゆるやかさがあります。 …

創英イオリ体

みょうちくりんな文字ですが、これもれっきとした書体です。 じっくり見てると、なんだか吸い込まれそうです。 酔ってく(寄ってく)前に、もうできあがっちゃってる感じがしますね。

イワタゴシック体

金属活字からの古い伝統をもつゴシック体です。 ひらがなのカーブなどにやや硬さがみられますが、それが小気味よい味となっているためか、広告のコピーなどによく使われています。 これは某ビルの壁面広告。 ちなみにイワタゴシック体は、数年前に「イワタゴ…

ナウM

明朝体の特徴である三角形のウロコと、ゴシック体のような均質さを併せ持つ印象的な書体です。 このプレートは実際に焼き印を押しているようで、力強いながらも、木の樽を意識したようなオーガニックな雰囲気が出ています。 ヒューガルデンは一度だけ飲んだ…

ゴナか否か

東京近郊のJRで、駅周辺のサインに使われている書体はゴナです。ところが、駅名表示に大きく使われているかなは、部分的にちょっと違ったカタチをしています。 「だ」「が」に注目。ゴナならば下のようになっているはず。 サインとしての用途を考えると、一…

本明朝 新がな

築地体後期五号(02-28参照)にルーツを置くとされるかなのひとつです。 本明朝の漢字と合わせるためかもしれませんが、ややうねりが強く、線の端々に筆圧が残っているような、独特の解釈がなされています。このことが、組んだ文字の意識がきちんとそこに留…

タカライン

漢字は直線のみの構成で、かなもコンパスと定規を使って描いたような、ユニークな書体です。 04-06といった書体と一線を画すのは、線の配置が大胆であり、計算され尽くしているところ。 カクカクとしながらも、絶妙なバランスで堅苦しくない雰囲気をつくり出…