解ゴシック

一見、ごくオーソドックスなゴシック体のようですが、細部のエレメントが軽やかな、ひと味違ったゴシック体です。 果たしてこれは何の広告なのかと思いきや…。 これがその斜め向かい。 そして、その続き。 2つの柱を順に回ると、歌がつながり、振りも覚えら…

HGひげ文字(=DCPひげ文字)

ひげ文字は08-18にも登場しましたが、こちらはかなり筆の流れのある書体です。 魚の活きの良さが伝わってきます。 おいしいものは、見た目にもおいしい。旬のものはなおさらです。

良寛

江戸時代の僧侶として有名な良寛の書をもとにおこしたとされる、かな書体です。 味岡かなシリーズのなかでは、もっとも個性的な表情をしています。 このロゴには、目にひっかかるような、粗めのテクスチャがまとわされています。 良寛は、子供たちと隠れんぼ…

モトヤ正楷書

金属活字からの古い歴史をもつ正楷書体です。 似たような正楷書体もありますが、筆づかいの伸びやかさと筆法の確かさで群を抜いています。 喧騒のなかにも凛とした空気が演出されています。

V7ゴ

ルーツは定かではありませんが、やや古風で、個性的な印象のゴシック体です。 似たようなゴシック体に埋もれがちなためか、街中ではあまり見かけません。これはポスターの見出し。 ポスター自体は、目を近づけて見ないと、個々のメッセージを読み取れないよ…

ロゴ丸

文字枠いっぱいにデザインされた、ロゴ風のディスプレイ書体です。 量販店らしく、フロアに家電が整然と並べられている姿を連想させます。 お店のロゴとの相性も良いです。 さてさて、お目当ての品は何階に? それとも、上から順に見て回ろうか。

彩滉(もしくはミックス(MIKS)かも)

おそらく古い図案文字をモチーフにしたと思われる、ちょっとコミカルな書体です。 色合いも秋らしく、童話のタイトルのような雰囲気です。 お店のキーカラーとは異なるので、目立って見えます。 食欲の秋には、別腹状態も倍増しそうです。 (漢字が確認でき…

光朝

線の抑揚をなくし、シンプルな造形美を追求した、コントラストの強い明朝体です。 かなは、築地体初号系(06-12も参照)がもとになっています。 「写」のエレメントに寄り添うように配置された、展覧会の展示物たち。 シンプルなエレメントが見事にラックの…

DFP 新宋体

宋朝体とは、明朝体と楷書体の中間的な特徴をもつ書体です。横画が右上がりで、鋭く硬質です。 中国ではよく本文組版に用いられるようです。 このメニューでは、「だし」が一体となるよう変形したり、「無湯」を「しるなし」と読ませるなど、面白い組みをし…

日活ゴシック体

一般的なゴシック体と比べると、かなのうねりをやや強く感じる書体です。 その分、筆勢が抑えられ、ゆったりとして見えます。 「曲がってても味は良いよ」とでもいいたげです。 字間や行間の広さも、自然志向のゆるやかさを現しているようです。 某ショップ…

創挙蘭

この特徴的なデザイン書体は、漢字部分は香港、かなは日本で制作されたそうです。 同じ漢字圏であっても、書体はその土地の感覚を映し出すため、異国的な匂いをまとっています。 しかし、ロゴとしての使用では、日本語として違和感はありません。 映画のセリ…

DFP新篆体

印章などに用いられる篆書体を現代風にアレンジした書体です。 看板の文字は、漆の盆に乗せられた麺のようにも見えます。 一見ミスマッチな素材がうまく絡まっています。

本明朝

現代の明朝体としては、最も硬質な表情をもつ書体のひとつです。MS明朝の元にもなっています。 原宿に限定的に現れたバナーは、真面目なフレーズなのに、どこか噛み合わない。微妙なズレを狙っているようです。 反対側はこんなです。 あえて肯定的にとらえ…

DFP 魏碑体+DFP 相撲体

魏の時代に石碑に彫られていた、荒削りな楷書をベースにした書体です。 素朴さや風合いを強調したい場面に、よく使われています。 大見出しは、DFP 相撲体を変形させているようです。 ぷっくりとした茶豆の外観と、独特の味わいが、2つの書体でうまくミック…

MSゴシック

パソコンの普及にともなって、マシンに標準装備されているフォントを使った簡便な張り紙が増えています。しかし、画面表示や小サイズでの使用を前提としたフォントは、大きく出力すると、時折おかしなバランスになっていることに気付かされます。例えば、 「…

イナミン

写植全盛の80年代後半に発売され、独特のスタイルで話題をさらった書体です。 シャキシャキして、切れ味の良い印象があります。 リリースされた頃の雑誌では、「栄養ドリンクのようなネーミングが、元気にしてくれそう」などと評されていました。 なるほど。

ひげ文字

江戸文字の一種で、日本酒のラベルなどに書かれる文字を書体としてアレンジしたものです。 筆書というよりも、レタリングに近いかもしれません。 ちなみに一番右側の書体は「サン」。 おちゃめな雰囲気にまとまっています。 (ひげ文字はデジタルフォントで…

リュウミン

DTPの台頭とともに、一躍その代名詞的な存在として躍り出た明朝体です。 大勢にアピールすることが必要な政治関係では、このように目に慣れた書体が使用されることが多いようです。 ちょっと開き直っているようにも受け取れますが。 しかし、時代は変わるも…

日活教科書体(=HG教科書体)

今週あたりは、こんな張り紙が多く見られると思います。 かしこまっていながら、くどくない。書体の持ち味がうまく活かされています。 キッチンショールーム入り口にて。

隷書101

隷書体としては、やや太く、かなり整えられた感のある書体です。「報道ステーション」などのテロップでも使われています。 どことなく江戸文字っぽい雰囲気もあります。 仏具屋さん? いえいえ、薬屋さんです。

JTCウインZM

直線的なポップ書体ですが、明朝体のようなウロコがついていて、ひとくせある書体です。 某カレーショップのロゴに使われています。 ちなみに、看板の左側に「〇〇創庫」とある漢字は、パソコンでは入力表示できないのでした。 けっこう見るような気がするの…

見出丸ゴシック体MBD101

ゴシックMB101(06-02)の丸ゴシック版といえる書体です。たまに街中でみかけますが、この書体はデジタルフォントにはなっていません。 至るところでよく目にする内容の看板です。繰り返し使われているとみえて、かなり傷がついています。 都内は常にどこか…

DFP 教科書体

教科書体は多メーカーから出されていますが、この書体はあまりキビキビしておらず、教科書体としてはややゆるい味付けです。 本音を吐露してしまったような雰囲気が妙に出ています。 これを見て、逆にぐったりとしてしまったりして。しかし、フォローもあり…

YSEM(新聞特太明朝)

活字書体に由来するといわれる、読売新聞の見出し明朝体(写植書体)です。いいちこのポスターなど、比較的落ち着いた場面で使われていることが多いのですが、こんな破天荒な使い方も! え、え? 2文字目で一瞬目が止まりますが、一度視線が流れ出すと、 も…

映画字幕フォント

かつて映画の字幕に手書きされていた文字群です。映画フィルムに文字を刻んでも抜け落ちないように、閉じられた空間のない工夫されたデザインになっています。 ここでは傾けてやや太らせているようですが、フォント化されていなければ、大きく見出しとして使…

タカハンド

コミカルで楽しい雰囲気の書体です。表参道駅をジャックしたゲームソフトの広告に、効果的に使われていました。 ゲームのキャラクターと見事にマッチしています。 ゲームならではのこんな表現も違和感がありません。 壁面がゲームのイメージで覆い尽くされ、…

JTCウインS

明朝〜ゴシック〜丸ゴシックと、一貫した思想で設計されたデジタルフォントとしては、最初期のものです。フジテレビのニュースのテロップなどにも採用されています。 するっと読む文字というより、ひと文字ひと文字がしっかりしているという印象があります。…

くもやじ

昨年発売された新しい書体です。蜘蛛の糸のようなアクセントが文字のところどころについていて、民芸調の雰囲気があります。 某カフェで売り出し中のドリンクのポスターに使われていました。 いかにも和のテイストですが、「ゆずちゃ」とは実は韓国のものな…

イワタ特太明朝体

その由来が、金属活字にまで遡ることのできる明朝体のひとつです。イワタの本文用明朝体とはデザインが異なっており、おそらくこれは、初号(42pt)としてかたちづくられたものと思われます。 おおぶりの明朝体では、かなもコントラストが強い場合が多いので…

クラフト墨

「ほっこり」といった表現がよく似合う、大胆かつ力の抜けた筆づかいの書体です。 飲食関係を中心に幅広く使われています。 この看板は手彫りされているようで、彫り跡の凹凸に手作り感がうかがえます。 路地に面したおでんの店にて。