筑紫明朝

近年開発されたデジタルフォントの明朝体としては、やわらかく、アナログのテイストが強い書体です。

本来は本文組みされる太さですが、ポスターで大きく使われると、この書体の特質がよくわかります。

電子化されて、使い勝手がよくなっても、高いクオリティを保持し続けてほしい。
株券も、書体も、です。

武蔵野丸ゴシック

しっかりとした明るい表情をもつ丸ゴシック体です。
JTCウインR とも似たカタチをしていますが、こちらのほうが、より文字の並びを意識してデザインされているように見えます。

とあるお店の店先でみかけました。

ここが、店番をしてるマメタロウくんの定位置のようです。
とはいうものの、おねむの時間なのか終始眠そうでした。

DFP 金文体

金文とは、殷や周の時代に青銅器に刻まれていた文字のことですが、この書体は、現代風に、しかもかなり腰高にアレンジされているようです。

「けし」は「罌粟」とも書くんですね。「芥子」だと「からし」とも読めてしまうので、意図的に避けたのかもしれません。

アールデコ風のイラストと相まって、図案文字全盛の古い時代を彷彿させるような看板になっています。

ナミン

明朝体をステンシル風にしたらこうなる、という見本のような書体です。

ちょっとレトロでハイカラ(死語?)な雰囲気もあります。

横浜のイメージに合うのは、ステンシル→積み荷→港…なんていう連想もあるからかもしれません。

JTCウインZ10

直線のみでできた、シンプルかつ力強い書体です。発売当時は一世を風靡しました。

とても個性的なギャラリーのバナーです。

そして、外壁も個性的。5つも並んだメーターがまるでオブジェのようです。

ダイゴ

明朝体とゴシック体の特徴を併せ持つ書体として「ナウM」(04-24参照)などが挙げられますが、同系統とされる書体です。

こちらは、うろこがあるというよりも、横線の末端が斜め上に折れ曲がっているように見えます。
切り絵風の食材の絵とも相性がよいです。

お店は一見高級そうですが、ざっくばらんな食の醍醐味が伝わってくるような、ダイナミックな看板に目が惹きつけられます。

JTC淡彩古印体「歌」

古印体とは、奈良時代に寺社印として用いられた「大和古印」がルーツとされる、日本独特の書体です。

ところどころ線にとぎれがあり、年月の経過を思わせる味わいがあります。

印章に使われることもあり、はんこ屋さんにはまさにうってつけの書体です。